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里親家庭の子どもの大学進学:使える支援制度と里親の役割

里親家庭で育つ子どもが高校を卒業する頃、里親が直面する現実がある。「大学に行きたい」という希望に対し、経済的な面でどこまで支援できるのか——措置が終われば手当はなくなる。この問いは、多くの里親が事前に把握していなかったと後悔するポイントのひとつだ。

日本の社会的養護の制度は、近年この問題に大きく動いている。里親家庭で育った子どもが大学・専門学校等へ進学するための支援は、法改正のたびに拡充されてきた。使える制度を知っているかどうかで、子どもの選択肢は大きく変わる。

社会的養護出身者の進学率の現状

まず現実の数字を確認しておく。社会的養護のもとで育った若者の大学・専門学校等への進学率は、一般家庭の子どもと比較して長年大きな差があった。この格差が政策課題として認識され、近年の制度改革につながっている。

こども家庭庁の資料によると、社会的養護出身者の進学支援のための予算は令和5年度以降も継続的に拡充されており、「自立支援」の強化が明確な政策方針となっている。里親家庭で育つ子どもは、この支援の対象に含まれる。

大学進学に関わる主要な支援制度

1. 大学等進学支度費(一時金)

里親から措置が終わる際(通常18歳の年度末)、大学・専門学校等への進学が決まっている場合、都道府県から「大学等進学支度費」が一時金として支給される。金額は自治体によって異なるが、数十万円規模の支援が見込める。

これは里親手当や一般生活費とは別枠の支出であり、高校在学中に進学意向が確認された時点から準備を始めることができる。

2. 措置延長(22歳まで)

従来、里親委託や施設入所は原則18歳(高校卒業年度末)で終了していた。しかし現在は、本人の同意のもとで22歳の年度末まで措置を延長することが可能になっている(児童福祉法の改正による)。

大学在学中も措置が継続される場合、一般生活費の支給が続く。これにより、大学4年間を里親家庭に籍を置いたまま過ごすことができる。措置延長を活用した場合、子どもは経済的な基盤を持ちながら学業に集中できる。

3. 給付型奨学金(日本学生支援機構)

社会的養護出身者は、日本学生支援機構の給付型奨学金において「特に配慮を要する学生」として優先枠が設けられている。給付型のため、返済不要だ。授業料減免と組み合わせることで、学費の自己負担をほぼゼロにすることも可能だ。

高校2年生の段階から予約採用の手続きが始まるため、里親はこの時期に進学意向を確認し、高校の担当教員や児童相談所と連携して手続きを進める必要がある。

4. 自立援助ホームと学生寮

大学進学後に一人暮らしを始める場合、「自立援助ホーム」や一部の大学が用意する「社会的養護出身学生向け学生寮」が活用できる。これらは生活支援と住環境の安定を同時に提供するが、定員が限られているため早期からの情報収集が必要だ。

5. アフターケアとしての里親家庭

法的な措置が終了した後も、子どもが里親家庭に「帰る場所」として戻れる関係を維持することは、精神的な安定に大きく寄与する。2022年の児童福祉法改正により、里親支援センターが各都道府県に設置され、措置終了後の若者(ケアリーバー)へのアフターケア機能も強化されている。

里親として法律上の義務がなくなった後も、OB・OGのような立場でつながり続けることを、多くの経験豊富な里親が実践している。

里親が早めに動くべきポイント

大学進学支援を実効性あるものにするためには、子どもが中学生のうちから意識を持つことが重要だ。

中学校段階:

  • 担当の里親支援専門員と進路の方向性を共有する
  • 学習支援事業(自治体が提供する無料・低額の学習支援)を積極的に活用する

高校1〜2年:

  • 給付型奨学金の予約採用について高校担当教員と相談する
  • 必要な書類(措置証明等)を早めに確認する

高校3年:

  • 大学等進学支度費の申請手続きを都道府県に確認する
  • 措置延長を希望するか本人と話し合う
  • 進学先の大学に社会的養護出身者向けサポートがあるか確認する

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里親家庭の子どもが大学進学を諦めるケース

支援制度があっても、実際には進学を諦めるケースが出ている。主な理由は、制度を知らないこと、手続きが複雑であること、そして里親自身が「自分のことではない」と関わりを控えてしまうことだ。

しかし、社会的養護の経験を持つ若者にとって、里親が「自分の進学を一緒に考えてくれる大人がいる」と感じることは、それ自体が強力な後押しになる。制度の情報を集め、手続きを一緒に進めることは、里親の重要な役割のひとつだ。

日本の里親制度ガイドでは、手当の仕組みから措置延長、アフターケアまで体系的に整理している。子どもの自立を見据えた長期的な視点で里親生活を準備するために活用できる。

まとめ

里親家庭の子どもの大学進学は、複数の制度を組み合わせることで現実的に実現できる。大学等進学支度費、措置延長、給付型奨学金、アフターケア——これらを知っているかどうかで、子どもの将来の選択肢は大きく変わる。

里親が「自分には関係ない」と思う必要はない。子どもの進路を一緒に考える大人として、制度を知り、早めに動くことが何より重要だ。

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