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社会的養護とは?家庭養育優先原則・里親委託率・こども家庭庁の役割をわかりやすく解説

日本では今、社会的養護の大転換が進んでいる。かつては「施設で預かる」が当然とされた子どもたちの養育が、「できる限り家庭で育てる」という方向へと大きくシフトしている。その中心にあるのが里親制度だ。

「社会的養護」という言葉は行政用語として使われるが、その中身を正確に知る人は多くない。ここでは、社会的養護とは何か、日本がどこを目指しているのか、そして現実はどうなっているのかを整理する。

社会的養護とは何か

社会的養護とは、保護者のない子ども、または保護者に養育させることが適当でない子どもを、公的な責任のもとで養育・保護する制度の総称だ。

対象となる子どもが置かれている主な事情は以下のとおりだ。

  • 保護者による虐待(身体的・精神的・性的・ネグレクト)
  • 保護者の死亡・行方不明・精神疾患・収監
  • 経済的困窮による養育困難

日本全体で、何らかの形で社会的養護を受けている子どもは約4万5,000人にのぼる(2023年時点)。

施設養育から家庭養育へ:2016年改正の転換点

2016年の児童福祉法改正は、日本の社会的養護の歴史における決定的な転換点だった。この改正により、「児童は家庭において心身ともに健やかに養育されること」が法律上の大原則として明文化された。これが家庭養育優先原則だ。

それまでの日本は、欧米と比較して施設養育への依存度が極めて高かった。里親委託率(社会的養護を受ける子どものうち里親等に委託されている割合)は、2010年時点でわずか11.1%にすぎなかった。

社会的養育ビジョン:政府が掲げる目標

2017年、厚生労働省は「新しい社会的養育ビジョン」を策定した。このビジョンは里親委託率の大幅な引き上げを明示的な目標として掲げた。

対象 目標
3歳未満の乳幼児 里親等委託率75%以上
学童期以降 里親等委託率50%以上

この目標は現在の実態と大きく乖離している。2021年度末時点の実際の里親等委託率は23.5%であり、3歳未満に絞ると25.3%にとどまる。欧米諸国の50〜80%以上と比較しても依然として低い。

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里親委託率の現状と地域格差

厚生労働省の統計(総務省行政評価局調査)によると、里親等委託率の推移は以下のとおりだ。

年度 里親等委託率 登録里親世帯数 受託里親世帯数
平成24年度末 14.8% 9,392世帯 3,487世帯
令和元年度末 21.5% 13,111世帯
令和3年度末 23.5% 15,607世帯 4,844世帯

数字だけ見ると改善は続いているが、課題は2点ある。

1. 未受託里親の問題:登録里親のうち実際に子どもを預かっていない「未受託里親」が約7割に達している。里親側は乳幼児を希望する傾向があるのに対し、実際に措置が必要な子どもは学童期以降や被虐待経験のある子どもが多く、マッチングが成立しにくい。

2. 地域格差:委託率は都道府県によって大きく異なる。新潟県・大阪府などは全国平均を上回る一方、委託が進んでいない自治体も存在する。

こども家庭庁の役割

2023年4月、それまで厚生労働省が担っていた社会的養護の所管がこども家庭庁に移管された。子どもに関する行政を一元化し、より機動的な政策立案を目指す組織だ。

こども家庭庁は里親制度の普及においても積極的な役割を担っており、2022年の児童福祉法改正では里親支援センターの設置義務化を推進している。里親のリクルート・研修・委託後の支援・レスパイトケアの調整を一括して行う専門機関が、全国で整備されつつある。

「社会全体で子どもを育てる」という考え方

社会的養護を理解する上で重要なのは、それが「かわいそうな子どもを助ける慈善活動」ではなく、「社会が子どもに負う責任を具体的に果たす仕組み」だという視点だ。

里親は、その責任の最前線に立つ担い手だ。行政・学校・医療機関・NPOと連携しながら、子ども一人ひとりに「自分には帰れる場所がある」という感覚を育てることが、社会的養護の究極の目的だ。

里親制度への参加を考えているなら

社会的養護の現状と里親制度の仕組みを体系的に理解した上で登録プロセスを進めたい場合は、日本の里親制度ガイドが参考になる。法的な背景から実務的なステップまで、日本語で体系的にまとめている。

数字が示すように、日本の里親制度はまだ「人を必要としている」段階にある。情報を持つことが、行動の第一歩だ。

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