養育里親の手当はいくら?金額・税金・確定申告・医療費の仕組みを完全解説
「里親は自己犠牲のボランティアだ」という誤解が根強くある。実際のところ、子どもを養育するために必要な費用は公費(措置費)によって全面的にサポートされており、里親手当も支給される。ただし、その仕組みは複雑で、「儲かる」という誤解も含めて正確な理解が必要だ。
ここでは、手当の金額・税務上の扱い・医療費の仕組みを整理する。
里親手当と一般生活費の内訳
里親に支給される費用は大きく2種類に分かれる。
里親手当(手当部分)は、養育という労務への対価として支給される。
| 里親の種類 | 里親手当(月額) |
|---|---|
| 養育里親 | 90,000円(子ども1人あたり) |
| 専門里親 | 141,000円(子ども1人あたり) |
| 親族里親 | 支給なし(原則) |
| 養子縁組里親 | 支給なし(委託中は養育里親手当に準ずる場合あり) |
2020年度の改定により、2人目以降の子どもにも1人目と同額の手当が支給されるようになった。複数の子どもを受け入れる里親への支援が強化されている。
一般生活費(措置費)は、子どもの食費・被服費・日用品費などの直接的な養育費用として支給される。
| 対象 | 月額(目安) |
|---|---|
| 乳児 | 約62,020円 |
| 乳児以外 | 約53,710円 |
つまり、養育里親として子ども1人を預かる場合の月額受給総額は、乳児で約152,020円、学童以上で約143,710円となる。これは子どもの養育に充てるための費用であり、里親の収入そのものではない。
教育費・入学費・その他の付加的支援
手当・一般生活費以外にも、実費または定額で以下の支援がある。
- 教育費:幼稚園から高校までの授業料、給食費、教材費、通学定期代
- 入学支度金:小学校・中学校・高校への入学時に一時金として支給
- 大学等進学支度費:近年、社会的養護経験者の進学支援として大幅に拡充
- 医療費:保険診療分は全額公費負担(自己負担なし)
- 特別需要費:七五三、入学祝い、部活動の遠征費など特別な支出への補助
医療費の無料化は大きなメリットだ。子どもが病院にかかっても、保険診療の範囲内であれば里親の自己負担は発生しない。
里親手当の税務上の扱い
里親手当は所得税法上「雑所得」に分類され、原則として課税対象となる。しかし、実際に納税が発生するケースは稀だ。
理由は、手当の額から「養育に要した必要経費」を差し引くことができるからだ。食費・被服費・光熱費の増加分など、実際に養育にかかった費用を経費として計上すると、課税される所得はほぼゼロになることが多い。
扶養控除:里親は委託された子どもを「扶養親族」として申告することが可能で、所得税・住民税の扶養控除を受けられる。
一般生活費(措置費)の扱い:一般生活費は子どものための経費として支給されるものであり、里親の所得には含まれない。
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確定申告は必要か
里親手当を受け取っている場合、原則として確定申告が必要だ。ただし、以下の点を理解しておきたい。
- 里親手当のみが収入の場合、必要経費を差し引いた後の雑所得が年間20万円以下であれば申告不要となるケースが多い
- 給与所得がある場合(共働き等)は、年末調整に加えて確定申告が必要になる場合がある
- 自治体によって一般生活費の申告要否の解釈が異なるケースがある
税務上の取り扱いは居住地の税務署や税理士に確認するのが確実だ。自治体の里親支援担当者や全国里親会も、こうした実務的な相談に対応している。
「里親で儲かる」は本当か
手当の額だけを見て「里親で儲かる」と考えるのは誤解だ。
手当の多くは実際の養育費用(食事・光熱費・交通費の増加など)に充てられる。さらに、子どもとの時間確保のために仕事を調整することによる機会費用、研修や手続きに費やす時間と労力も無視できない。
「里親は社会から委託を受けてプロフェッショナルな家庭養育を行うパートナーシップ」と捉えるのが正確だ。経済的な負担をせずに子どもを養育できる、というのが制度の本質である。
詳細な財政シミュレーションが知りたい場合
手当の計算方法、一般生活費の詳細内訳、確定申告の具体的な手順については、日本の里親制度ガイドで体系的にまとめている。「お金のこと」を理解した上で里親の道を検討してほしい。
経済的な不安が里親への一歩を妨げているとしたら、それは情報不足が原因かもしれない。制度を正しく理解すれば、その不安の多くは解消される。
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