養子縁組の条件・資格とは?独身・共働き・年収別に制度を整理
「自分たちは養子縁組の条件を満たしているだろうか」——多くのカップルが最初にぶつかる疑問だ。婚姻の有無、年齢、年収、共働きかどうか。それぞれの制度で基準が違うため、混同されることが多い。
特別養子縁組の条件(法律が定める要件)
特別養子縁組は民法第817条の3以下に厳格な要件が定められている。
養親になれる人の条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 婚姻要件 | 配偶者のある者(夫婦)でなければならない |
| 年齢要件(養親) | 夫婦のどちらか一方が25歳以上、もう一方は20歳以上 |
| 年齢要件(子ども) | 原則として申立て時点で15歳未満 |
| 監護実績 | 申立て前に6ヶ月以上の監護実績が必要 |
独身者は特別養子縁組できない
民法第817条の3は明確に「配偶者のある者でなければ、特別養子縁組の養親となることができない」と定めている。事実婚のカップルも、法律婚をしていなければ対象外だ。2024年時点で、同性カップルが共同で特別養子縁組の養親になることも認められていない。
単身者が子どもと深く関わりたい場合は、里親登録(養育里親)という別の選択肢がある。
年収・共働きについての公式基準はない
法律上、特別養子縁組に「最低年収〇〇万円」という規定はない。しかし実際には、民間あっせん機関の審査で経済的安定性が厳しく審査される。
市場調査によると、民間機関を利用して特別養子縁組を成立させた家庭の多くは中所得以上の層で、採用される際の実費・寄付金等が100万円超になることを考えると、生活に余裕のある収入が求められる。
共働き家庭について
一部の民間あっせん機関は「母親が専業主婦であること」を要件とするが、法律上の要件ではない。機関によって異なるため、複数の機関の説明会に参加して比較検討することが重要だ。共働きを前提としている機関も複数存在する。
普通養子縁組の条件(より柔軟)
普通養子縁組は特別養子縁組と比べると、条件が格段に緩やかだ。
成立要件
- 養親が養子より年上であること
- 養子が養親の直系尊属でないこと(親や祖父母は養子にできない)
- 成人を養子にする場合:当事者の合意のみで成立(届出だけでよい)
- 未成年を養子にする場合:家庭裁判所の許可が必要
独身でも可能
普通養子縁組は単身者でも行える。夫婦要件はない。たとえば、独身の叔父・叔母が甥・姪を養子にするケースや、成人した子どもに財産を継がせる目的で成人養子縁組を行うケースがある。
年収・職業の制限もない
普通養子縁組には年収や職業の規定がなく、当事者間の合意と家庭裁判所の審査(未成年の場合)が判断の中心だ。
養子縁組里親の条件
「養子縁組里親」は、特別養子縁組を前提とした里親制度だ。児童相談所を通じて子どもを委託してもらうには、まず養子縁組里親として登録する必要がある。
登録要件(都道府県によって細部が異なる)
- 夫婦であること(一部の都道府県では単身者の登録も可能)
- 養育に支障がない健康状態
- 経済的安定
- 住居の適切さ(子どもの居室が確保できること)
- 欠格事由がないこと(虐待歴、重大犯罪歴など)
児童相談所を通じた縁組は費用がかからない(あるいは極めて少額)反面、乳児の委託は少なく、待機期間が長い傾向がある。
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「自分たちは条件を満たすか」という問いへの実際的な答え
法律上の要件を満たしているかどうかは確認しやすいが、民間機関の審査は多面的だ。年齢・年収・健康状態・婚姻歴・住居環境・家族の理解・研修への参加意欲など、総合的に評価される。
「書類上の条件を満たすこと」と「審査を通過すること」は別物だ。制度の仕組みと審査のポイントを事前に把握しておくことが、無駄なく進めるための近道になる。
日本の養子縁組ガイド(完全版)では、民間機関の審査で実際に何が見られるか、共働き家庭が審査を通過するための準備、児童相談所と民間機関の選び方を具体的に解説している。
よくある質問
Q. 年齢制限はありますか?養親が何歳でも申し込めますか?
法律上、特別養子縁組の養親年齢に上限はないが、子どもが成人するまで養育できる健康状態であることが審査される。多くの民間機関は養親の年齢差(子どもとの年齢差が45歳以内など)を内部基準として設けている。
Q. 不妊治療中でも申し込めますか?
多くの民間あっせん機関は、申込み時に不妊治療を終了していることを求めている。「子どもを迎える気持ちの整理がついているか」を重視するためだ。ただしこれも機関によって異なる。
Q. 持ち家でなければなりませんか?
賃貸でも問題ない。ただし、子ども用の部屋を確保できる広さがあること、住居の安定性(短期契約でないこと)などが確認される場合がある。
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