養子縁組でも育休は取れる?特別養子縁組と育児休業の制度を整理
養子縁組を検討している共働き夫婦が必ず確認すべきことの一つが「育休を取れるか」だ。出産ではなく養子縁組で子どもを迎える場合、育児休業は法律上どう扱われるのかを明確にしておきたい。
結論から言えば、養子縁組でも育児休業は取得できる。ただし、「産休(産前産後休業)」は養子縁組では取得できない点と、対象となる子どもの年齢に条件がある点を理解しておく必要がある。
育児・介護休業法の規定
育児・介護休業法(育介休業法)は、「養子縁組成立前の試験養育期間にある子ども」も育児休業の対象と明示している(第2条第1号)。
これは特別養子縁組の「委託から縁組成立まで」の監護期間中でも育休が取れることを意味する。法的に縁組が確定する前から、养育が始まっている現実に対応した規定だ。
育休の対象となる子どもの年齢
原則:子どもが1歳になるまで
通常の育児休業は、子どもが満1歳になる前日まで取得できる。
延長の可能性
1歳の時点で保育所に入れないなど「特別な事情」がある場合は、1歳6ヶ月まで延長できる。さらに要件を満たせば2歳まで延長可能だ。
養子縁組の場合の特例
特別養子縁組(または普通養子縁組)で子どもを迎える場合、縁組成立時の子どもの年齢にかかわらず、委託(または縁組成立)から1年間育休を取得できる。
たとえば、3歳の子どもを養子として迎えた場合でも、委託日から起算して1年間育休が取れる。これは生物学的な「出産」との対比ではなく、「新たな家族関係が始まった日」を基準にしているためだ。
育児休業給付金の受給
育休中は「育児休業給付金」(雇用保険から支給)を受け取ることができる。
- 育休開始から180日間(6ヶ月):休業前賃金の67%
- 181日目以降:休業前賃金の50%
受給要件は、育休開始前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あること。パートやアルバイトでも条件を満たせば対象になる。
養子縁組の場合は「委託日」または「縁組成立日」が起算点になる(住所地を管轄するハローワークで確認のこと)。
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夫婦両方が育休を取れるか(2022年改正後)
2022年10月の育介休業法改正で、「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度が新設された。生物学的な出産後2週間以内に取得できる制度だが、養子縁組の場合は適用されない。
ただし、養子縁組でも夫婦が交互に、または同時に育休を取ることは可能だ。
- 夫が育休を取り、妻も育休を取る(同時取得可能)
- 交代で休み、保育所に入れるまで家庭で育てる
2022年改正では育休の柔軟な分割取得も認められており、一定期間ごとに休業・復職を繰り返すことも法律上可能になっている(具体的な取得方法は勤務先に確認)。
「産休」は養子縁組には適用されない
産前産後休業(産休)は、出産する女性に認められる休業制度だ。養子縁組で子どもを迎える場合は「出産」が伴わないため、産前休業・産後休業は取得できない。
代わりに育児休業で対応することになる。養子縁組を控えている場合は、育休の申請タイミング(委託日の1ヶ月前までに申請が必要なことが多い)を職場に事前に伝えておくことが重要だ。
職場への告知のタイミング
養子縁組は「いつマッチングが成立するかが事前にわからない」という特性がある。職場に告知するタイミングは難しいが、以下を目安にするとよい。
- 申込みから待機中:育休制度の確認と人事担当者への事前相談
- マッチングが成立したとき:育休申請の具体的な日程を職場に相談
- 委託が決まったとき:直属の上司に報告、業務引き継ぎの開始
「育休の申請は最低2週間前まで」という企業内規定がある場合もあるが、養子縁組の場合は委託日がわかった時点で速やかに申請することを職場と相談しておく。
共働きで養子縁組を目指す家庭の準備については、日本の養子縁組ガイド(完全版)で詳しく解説している。育休・給付金の手続き、審査時の職業安定性の証明方法、委託後の生活設計まで一冊で把握できる。
よくある質問
Q. 自営業やフリーランスでも育休に相当する制度はありますか?
雇用保険の育児休業給付金は被雇用者向けの制度であり、自営業者・フリーランスには適用されない。ただし育休取得自体は妨げられるわけではなく(仕事量を減らすことは可能)、経済的な支援が受けられないという問題になる。国民健康保険・国民年金の枠組みでの支援制度は限定的だ。
Q. 育休を取得している間も、民間機関の研修・訪問への参加は必要ですか?
育休中であっても、機関の指定する研修への参加・家庭訪問への対応は継続して求められる。育休取得は「子どもとの時間を確保するため」の制度であり、縁組に必要な手続きとは別の話だ。
Q. 養子縁組の育休申請で、職場に養子縁組の事実を開示する必要がありますか?
育休申請の際、「養子」または「委託児童」であることを示す書類の提出が必要になる(住民票や委託決定通知書など)。そのため、育休申請の過程で職場への開示が生じる可能性が高い。プライバシーへの配慮を職場に求めることは当然の権利だ。
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