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養子縁組の支援金・助成金:国・自治体から受けられる経済的サポートを整理

民間あっせん機関を通じた特別養子縁組では、総額100〜200万円前後の費用がかかる。「これだけの費用を払った後に支援はあるのか」と気になるのは当然だ。

結論から言えば、縁組にかかった費用そのものを補助する制度は現在のところ存在しない。しかし縁組成立後、子どもを養育するにあたって活用できる支援制度は複数ある。

縁組成立後に受けられる主な支援

1. 児童手当

養子縁組が成立すると、養親は子どもの法定後見人であり、実子と同様に児童手当の受給権者になる。

子どもの年齢 支給額(月額)
3歳未満 15,000円
3歳〜小学校修了まで(第1・2子) 10,000円
3歳〜小学校修了まで(第3子以降) 15,000円
中学生 10,000円

所得制限の範囲内であれば全額受給できる。養子縁組後すみやかに住所地の市区町村で申請する必要がある。

2. 医療費助成(子ども医療費助成制度)

都道府県・市区町村の子ども医療費助成制度の対象になる。自治体によって助成の範囲・年齢上限が異なるが、多くの自治体で中学校修了まで(一部では高校修了まで)の医療費が実質無料になる。

3. 保育所・幼稚園費用の助成

3〜5歳児については、幼児教育・保育の無償化の対象となり、認可保育所や認定こども園の保育料が無償化される(2019年10月から)。養子も実子と同様にこの制度の対象だ。

4. 就学援助・高校授業料無償化

経済的な理由で就学が困難な家庭には就学援助制度がある。また高校授業料の無償化(就学支援金制度)の対象にもなる。いずれも養子縁組の有無にかかわらず、養育者の所得に基づいて判断される。

縁組費用への補助はあるか

現在、民間あっせん機関に支払った費用(マッチング費・寄付金・ホームスタディ費など)を国や自治体が補助する制度は、一般的には整備されていない。

一部の自治体(市区町村・都道府県レベル)で独自の支援事業を実施しているところもあるが、全国一律の制度ではない。自分の居住地の自治体が独自助成を行っているかどうかは、居住地の子育て支援担当窓口(市区町村役所の子ども・子育て担当課)に直接問い合わせることが確実だ。

税制上のメリット

扶養控除の適用

養子縁組が成立すると、子どもは税法上の「扶養親族」となる。所得税の扶養控除(16歳以上は38万円、それ以下は一般扶養控除の対象外だが児童手当等の社会的給付が代替)が適用される。

相続税への影響

養子は法定相続人に算入されるため、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)が増える。資産が多い家庭では節税効果がある。ただし、これは縁組の「動機」とすべきものではなく、縁組の副次的な法的効果として理解すること。

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里親手当との比較

「養子縁組里親(養子縁組を前提とした里親登録)」として子どもが委託されている段階(縁組成立前)は、里親手当の対象になる場合がある。

養育里親の手当(養育費)は月額9万円前後(2歳未満の乳幼児は月額13.5万円前後)で、食費・被服費等の一般生活費が別途支給される。これは縁組前の試験養育期間中の経済的支援になりうる。

ただし、縁組成立後は里親手当の受給対象ではなくなる点に注意が必要だ。縁組成立後は法的な実子と同様の扱いになるため、里親手当ではなく通常の子育て支援制度の範囲内での支援になる。

費用の現実と支援策のギャップ

民間機関への総支払いが150万〜200万円となるケースがある一方、国から直接補填される制度は現状ない。これが「民間経由での縁組は金銭的に余裕のある夫婦に偏る」という批判につながっている。

政策的な観点では、イギリス(採用手当あり)やアメリカ(養子縁組税額控除あり)のように、縁組費用を直接支援する仕組みを持つ国もある。日本でも制度拡充を求める声はあるが、現時点では具体化していない。

費用計画・縁組後の生活設計・税制上の整理については、日本の養子縁組ガイド(完全版)で詳しく解説している。民間機関の費用内訳の読み方から、縁組後の資金計画まで一冊で把握できる。


よくある質問

Q. 養子縁組後に児童扶養手当は受けられますか?

児童扶養手当は「ひとり親家庭」を対象とした制度だ。夫婦での養子縁組の場合はひとり親家庭に該当しないため、対象外になる。ひとり親(独身)で縁組を行った場合は対象になりうるが、現状、特別養子縁組は夫婦要件があるため実質的なケースは限られる。

Q. 縁組費用を医療費控除に含めることはできますか?

民間あっせん機関への支払い(マッチング費・寄付金等)は医療費控除の対象にならない。医療費控除は医療行為に対する支払いを対象としており、縁組関連の費用は該当しない。

Q. 養子縁組後に生活が困窮した場合、どこに相談すればよいですか?

生活保護・生活困窮者自立支援制度・子どもの学用品などの就学援助など、一般の子育て支援制度を利用できる。まず居住地の市区町村の子育て支援窓口または社会福祉協議会に相談することを勧める。

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