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里親の相談窓口:どこに相談すれば、何が解決するのか

「里親に興味があるが、まず誰に相談すればいいのかわからない」——これは最初のハードルとして多くの人が挙げることだ。行政への相談は敷居が高く感じられ、インターネット検索では自分の都道府県に適した情報が見つからない。

里親の相談窓口は、実は複数のルートがある。どの窓口に何を相談するか、どの段階で誰を頼るか——これを整理しておくだけで、登録までの道筋が大幅に明確になる。

相談窓口の全体マップ

里親に関わる相談窓口は大きく4種類に分かれる。

窓口 主な役割 相談の種類
児童相談所 登録申請・審査・マッチング・措置決定 手続き全般、委託中の公的対応
里親支援センター 登録前相談・研修・委託後の伴走支援 制度説明、日常的な養育の悩み
NPO・フォスタリング機関 民間による専門的支援 研修・心理支援・24時間相談
全国里親会・地域里親会 ピアサポート・政策提言 当事者同士の情報交換・精神的支援

児童相談所(児相):公式の入口

里親になるための法的な手続きはすべて、管轄の児童相談所(以下、児相)を通じる。日本全国に200箇所以上設置されており、都道府県・政令指定都市・設置市が運営している。

何をしてくれるか:

  • 里親制度の説明と研修の案内
  • 申請書の受け付けと家庭調査(実地訪問)
  • 児童福祉審議会への諮問
  • 知事名での認定・登録
  • 委託後の定期訪問と相談対応
  • マッチング(子どもと里親の組み合わせ)

相談の仕方: 居住地の都道府県(または政令指定都市)の「児童相談所」をウェブ検索すると連絡先が見つかる。「里親について相談したい」と電話すれば、担当の児童福祉司につないでもらえる。

注意点: 児相は「措置権限」を持つ行政機関であり、訪問調査や面接には一定の緊張を感じる人が多い。「どれだけプライベートまで調べられるのか」という不安は多くの申請者が経験する。これは制度上の必要プロセスであり、準備していれば乗り越えられる。

里親支援センター:新しい専門機関

2022年の児童福祉法改正により、新たに「里親支援センター」の設置が制度化された。2024年度から各都道府県で順次整備が進んでいる。

何をしてくれるか:

  • 里親になることへの相談(登録前)
  • リクルート活動(説明会・啓発イベントの開催)
  • 研修の提供または案内
  • 委託後の継続的な伴走支援
  • レスパイトケアの調整
  • ケアリーバー(措置終了後の若者)へのアフターケア

特徴: 従来は児相が「措置(行政)」と「支援」の両方を担っていたため、里親が相談しにくい構造があった。里親支援センターは支援に特化した専門機関として、より日常的・継続的な相談を受けることを目的とする。自分の都道府県の里親支援センターは、こども家庭庁の公式サイトまたは各自治体のサイトから確認できる。

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NPO・フォスタリング機関:民間の専門的支援

都道府県から委託を受けた社会福祉法人やNPOが、フォスタリング機関として里親支援業務の一部を担っている。

主要な団体:

NPO法人キーアセット: 英国の先進的なフォスタリングモデルを日本に導入。登録里親への集中的なトレーニングと24時間体制の相談支援を提供。委託中に緊急事態が発生した場合の夜間・休日対応が強み。

公益財団法人家庭養護促進協会: 1960年代から里親運動を牽引してきた日本最古参の支援団体のひとつ。大阪を中心に活動し、新聞紙面を通じた里親募集など独自の取り組みを継続。

NPO法人日本フォスタリング機構: 全国の自治体やNPOに対して研修プログラムや啓発ツールを提供。里親支援の質の標準化を目指す。

これらのNPOへの相談は、制度に縛られない柔軟な支援を得るために有効だ。特に「行政機関への相談はまだ怖い」という段階では、NPOへの問い合わせが最初の一歩として適している。

全国里親会・地域里親会:当事者同士のつながり

公益財団法人全国里親会は、里親の全国ネットワーク組織だ。各都道府県に地域里親会が存在し、当事者同士のピアサポートと政策提言を行っている。

何が得られるか:

  • 制度ではカバーされない「リアルな生活の知恵」
  • 試し行動や実親との面会交流など、経験者の声
  • 里親として長期間養育を続けるためのモチベーション維持
  • 政府への要望活動に参加する機会

里親会の定例会や研修会への参加は、登録前から可能な場合がある。「どんな人が里親をしているのか知りたい」という段階での情報収集にも活用できる。

相談前に準備しておくこと

どの窓口に相談する場合でも、以下の基本情報を整理しておくと話がスムーズに進む。

  • 世帯構成(夫婦・単身・同居家族の有無)
  • 就労状況(フルタイム・パート・自営業など)
  • 住居形態(持ち家・賃貸、部屋数)
  • 里親を考えたきっかけと動機
  • 希望する里親の種類(養育里親・養子縁組里親など)があれば

最初の相談で「まだ何も決まっていない」「情報収集の段階」と伝えることはまったく問題ない。相談窓口はなり手を増やすために存在しており、見学や説明を断られることはない。

登録の流れ、研修の内容、手当の仕組みなど、相談前に全体像を把握しておきたい場合は日本の里親制度ガイドを参照すると、窓口での質問が的確になる。

まとめ

里親の相談窓口は、児童相談所、里親支援センター、NPO・フォスタリング機関、里親会の4つのルートがある。どこに相談しても里親制度への入口につながる。段階に応じて使い分けることが効率的だ——情報収集段階はNPOや里親会、申請手続きは児相、委託後の日常的サポートは里親支援センターとフォスタリング機関。

「相談する」という一歩が、里親への最初の具体的な行動だ。まず一本の電話から始めることができる。

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