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養子縁組の解消(離縁)はできる?普通・特別それぞれの手続きと現実

養子縁組を解消したい——その理由は様々だ。양親との関係が修復不可能になった、成立後に事情が変わった、あるいは誤って進めてしまった縁組を取り消したい。いずれにせよ、解消(法的には「離縁」という)の可否は、普通養子縁組か特別養子縁組かで根本的に異なる

普通養子縁組は離縁できる

普通養子縁組の場合、離縁は法律上可能だ。民法第811条以下に規定されており、大きく3つの方法がある。

1. 協議離縁

養親と養子(未成年の場合は法定代理人)が合意すれば、市区町村役場への届出だけで離縁が成立する。書類は「離縁届」1枚で、費用もほぼかからない。ただし養子が15歳未満の場合は、法定代理人である実父母または親族が代わりに協議する。

2. 調停離縁

合意が得られない場合、家庭裁判所に調停を申し立てる。調停委員が双方の話を聞き、合意形成を試みる。調停が成立すれば、調停調書をもとに届出を行う。

3. 裁判離縁

調停でも解決しない場合は、離縁訴訟に進む。民法第814条が定める離縁原因(悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他重大な事由)が認められなければ判決は下りない。「感情的なすれ違い」程度では離縁が認められないことも多い。

離縁が成立すると、養子は養親の戸籍から抜け、縁組前の氏(姓)に戻る。相続権も消滅する。

特別養子縁組は原則として離縁できない

特別養子縁組は、子どもの福祉のために実親との法的関係を断ち切り、養親との間に永続的な親子関係を作る制度だ。その「永続性」こそが制度の根幹であるため、一度成立した特別養子縁組は原則として離縁できない(民法第817条の10)。

これは厳しいルールではなく、子どもを守るためのルールだ。「育てにくくなったから返す」ことができないよう、制度が設計されている。

例外的に離縁が認められるケース

民法第817条の10は、次の2つの要件をすべて満たす場合に限り、離縁の審判を認めている。

  1. 養親による虐待・悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること
  2. 実父母が相当の監護をすることができること

つまり、実親が安定した養育環境を取り戻せる状態でなければ、たとえ養親との関係が壊れていても、子どもを「行き場なし」にする離縁は認められない。実際に離縁の審判が下るケースは極めて少なく、家庭裁判所が最後の砦として機能している。

離縁を検討する前に確認すること

実際の相談現場では、「離縁したい」という申し出の背景に、育児ストレスや養子への不満、夫婦間の対立、金銭問題などが絡み合っていることが多い。

  • まず児童相談所やあっせん機関に相談する。 縁組後のフォローアップは多くの機関が担っており、関係修復のための専門的な支援(家族カウンセリング、レスパイトケアなど)を提供している。
  • 特別養子縁組で「離縁したい」と思ったとき、それは多くの場合、育児の困難さのサインであり、法的解消よりも支援が先に必要な状態だ。

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離縁後の戸籍と氏の問題

普通養子縁組を離縁した場合、養子は縁組前に称していた氏に戻る(民法第816条)。ただし、縁組後7年を経過した養子は、離縁後3ヶ月以内に届け出ることで、縁組中に称していた氏を引き続き使えるという選択肢もある。

特別養子縁組が離縁された場合は戸籍がどうなるかが問題になるが、現実には離縁例がほぼないため、法的実務の積み重ねも薄い。

養子縁組の解消を検討しているなら

養子縁組の成立と解消は、当事者全員の人生に関わる重大な決断だ。手続きだけを調べても、実際に動くには法的アドバイスと心理的なサポートの両方が必要になる。

日本の養子縁組ガイド(完全版)では、縁組成立後に生じがちな問題への対処法、あっせん機関との関係の維持方法、家庭裁判所の手続きの実際を体系的にまとめている。


よくある質問

Q. 成人した養子は自分で離縁できますか?

普通養子縁組であれば、成人した養子は養親との協議により、自らの意思で離縁届を提出できる。家庭裁判所の許可は不要だ。

Q. 養親が死亡した後でも離縁できますか?

原則として離縁は生存中の当事者間で行う。養親が死亡した後は離縁の問題が生じないが、相続関係や戸籍の整理について家庭裁判所への申立てが必要なケースもある。

Q. 離縁すると相続権はどうなりますか?

普通養子縁組を離縁した場合、養親・養子間の相続権は消滅する。実親側の相続権は、普通養子縁組では離縁の有無に関わらず維持されていたため、引き続き存在する。

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